• 茶田 勉

割り箸に目を向けるとき

新型コロナウイルスの影響で誰もがこれまでに経験したことのない毎日を送られていますね。 もちろん当社におきましても宿泊業や飲食業のお客様が中心で商売をさせていただいておりますので売上的には大打撃を受けております。 社員のこと、その家族の生活を考えると、今後どのように経営をしていけばいいのか? 時間だけは普段ではありえないほどの時間をいただけたのでいろいろと考えました。 緊急事態宣言が解除されてこれからの飲食業や宿泊業はどのように変わっていくのでしょうか? 感染防止対策をお店側も個々にもこれまでにないほど神経質に気をつけるところが多くなることでしょう。 そこまでしなくても…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、 しないよりは万全な対策を取っておくべきだと考える方が大多数ではないでしょうか。 となると、アルコール製剤やハンドソープ、飛沫感染防止シートの取り扱いもご要望にお応えできるように準備をしなければ… 使い捨ての手袋なども在庫を切らさないようにしなければ… マスクも価格が安定するまでは在庫をどれくらい持っておくべきなのか… 除菌シートや紙おしぼりなどの需要も増えるであろう… 使い捨てのスリッパなども今後増えるかもしれない… そんな中で、今回当社で皆様に一番声を大にしてお伝えすべきことは 割り箸に目を向けていただくことではないかと考えました。 平成という時代の中で割箸は自然破壊の最たるものだといわれ、マイ箸の啓蒙であったり 外食産業ではプラ箸の普及が広がりました。 実際には割箸の歴史からすると材木を切り出して残った端材の再利用で生まれたものです。 国内では奈良県吉野の林業、製材業からうまれたエコロジーな商品なのです。 今、新型コロナウイルスの影響を受けて感染防止のために人との距離を保つ、誰かのふれたものに対して神経質になる、そういう傾向にある中で、飲食店でのプラ箸に抵抗を感じる方が増えるのではないでしょうか? プラスチック製品がすべて悪いわけではなく、とても便利で安価で様々な形になり、これまでの日本経済の成長には欠かせないものであったのは間違いありません。 しかし、もともと割箸というものはなぜ割って使うようにしたのかといいますと、

「この箸は誰も使っていない真新しい箸です。あなた様のためにご用意した箸です。」 という懐石料理のおもてなしの心を表すために割箸として作られたのです。 感染防止という観点から、ほかの人が使ったものに対して過敏になられる人が増えるであろうこれからの生活で割箸は改めて見直されるべきものではないかと思うのです。


たしかにアスペン材などいまでも中国で奥地へ奥地へ伐採が進んでいる木もありますが、それでも植林木を材料にしたり、自然に対しての配慮が以前に比べると進んでおります。 また、竹製の割箸につきましては竹という性質上、成長は早く竹林破壊にはなりません。 そして何より国内で生産されている杉や檜の割箸につきましては林業でしっかりと管理され、前世代から受け継いだものを今、切り出し、さらに新たに植林し、育てて次世代へつないでいるのです。 山や木たちは何もしないで放置しておくと荒れてしまうだけですが、こうして国内の、割り箸の産地である奈良県の吉野の山は人の手によって守られ、育てられているのです。 飲食店や宿泊業のみなさまも、一般家庭のみなさまも、どんな商品にも歴史があり生まれてきた背景があります。 そこに目を向けると、そこを知ると、これからも必要とされる商品、道具は使い続けていかれるのだと思います。 是非、この機会に日本食文化の原点でもある「箸」、そしておもてなしの心をもって生まれた「割箸」に目を向けていただけたら幸いです。









お箸やタオルのあれこれを綴ります。

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