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  • 執筆者の写真茶田 勉

箸の使い分け

おはようございます。 先週、「マツコの知らない世界」で「美味しいお箸の世界」というテーマで 箸の話をされていました。 この放送では割箸ではなく、塗り箸や竹箸など工芸品や芸術品と言われるような大切に普段お使いになる箸について、いろいろとご紹介されていました。 箸のことをこうしてメディアでご紹介いただけることはとてもうれしくありがたいことだと思っております。 やはり、日本人にとりまして「箸」というものはあたり前に生活の中にあって、箸のことを特別に知ろうとする人ってほとんどいらっしゃらないと思いますから…

しかし、現代でも手食文化の国や地域はたくさんあります。 洋食のナイフやフォーク、スプーンなどをセットで使う食文化は箸の文化よりずいぶん新しいということをご存知の方も少ないのではないでしょうか?

そのような背景の中で割箸というものが生まれたのは明治時代になってからのことです。 日本ではじめに箸というものが生まれた時の材料は「竹」だったと言われています。 一本の竹をまげてトングのようにして食物を神様にお供えするために挟んで使ったのだそうです。 そこからはじまり、全国各地で使われるようになるころには「杉」「檜」など様々な木が使われるようになったと言われております。 そんな中で茶懐石で客人をおもてなしされた千利休は吉野から取り寄せた杉の赤身のところを使い、客人の数を箸の形に削り、水に浸し、ふきんでふき取り、箸に醤油や料理が残らない工夫をされたと言われております。 割箸が生まれた背景には間伐材や端材を無駄にしないということ。 おもてなしの心を受け継ぎ、割るということで真新しいものを提供できるということなどがあげられます。 そして初めて生まれた割箸が杉の端材で作られた「極大小判」というものだそうです。 これはシンプルに板目にとった杉の板から箸の大きさに切り分けたものを面取りして、割れ目を入れただけのものです。

しかし、厚みもあり、面取りされているので箸を持つ手の感触もあたりが柔らかく、蕎麦などの麺類をいただくにはとても使いやすいものです。



昭和の時代までは老舗の蕎麦屋さんなどではこだわって使われているお店も少なくありませんでした。 しかし、杉材の箸はやはり原価が高くなるため、中国やベトナムなどからはいってくる割箸の値段にはかないません。 特に以前は日本(熊本県)でも作られていた竹箸は、ほぼ100%輸入品で、見た目ちょっと高級そうに見えるという方もいらっしゃいますが、とても安価な商品となってしまいました。 そしてエコロジーという観点からも竹は成長が早く、竹林がなくなっていくことがないということで 料亭や蕎麦屋さん、和食屋さん、そしてカフェ、ファミレス、コンビニなどいろんなお店で使われるようになりました。 さて、今回のタイトルにありますように「箸の使い分け」ということですが、どのようなことかといいますと、やはり箸も料理によって使い分けされたほうが料理をおいしくいただけるということです。 竹箸は安価でかっこよく見えますが、冷たく、物によっては竹のにおいが料理と合わない場合もあります。(好みもありますが…) もちろん杉や檜もそれぞれの木の香りがございます。 ですが、杉は酒樽の材料にもなることから日本料理にも合う香りなのだと思います。 こだわりの懐石料理、日本料理をいただくときに、洗いまわしをされたプラ箸や、竹箸、アスペン材の箸などが出てきたら… やはりちょっと違うと思われるのではないでしょうか? 蕎麦屋さんでプラ箸や先の丸くなった竹箸では食べにくくありませんか? お店側として自慢の料理をおいしくお客様にいただいてもらうためのひとつとして箸にも目を向けることをお勧めいたします。 おいしいお蕎麦屋さんで、昔ながらの杉の極大小判が出てきたら… おいしい日本料理のお店のお膳に杉の柾利久箸が添えられていたら… テンション上がるのは私だけではないと思います(笑)

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